アノコロカラコノゴロ二イタル。

昭和の終わりから、平成を駆け抜けて、令和に辿り着いた。

1993年6月 新作コーナーにジャッキー・チェンの『ポリス・ストーリー3』が並んでいた。--香港映画ファンへの第一歩。

1993年6月某日 17歳(高校2年)

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今日は朝から熱があったので、学校を休んだ。

昨夜から身体がダルかったんだけど、起きた瞬間からシンドかったので、母さんに「ちょっと風邪ひいたかも」と言ったら、「そのくらい大丈夫。学校行きなさい」と言われてしまった。


どうにか、37度2分の体温計を見せると、父さんの援護も有り、学校に電話を入れてくれた。

 

そして、「そのくらいなら学校行っても大丈夫なのに」と言いながら、母さんはパートに出かけて行った。

 

病院に行って薬をもらって、薬を飲んで午前中はゴロゴロしていた。
パートの昼休みに母さんが戻ってきて用意してくれた食事を、『笑っていいとも』を観ながら食べてる頃には、熱も下がっていた。
母さんは食事を済ますと、「おとなしく寝てなさいよ」の一言を残して、パートに戻って行った。

 

家に一人。2時頃まではテレビを観たり、本を読んだりしてたのだけど、すぐに飽きてしまって、退屈になった。

 

そこでビデオをレンタルしに行くことにした。

 

学校休んでるのだから、本当は家にいないと駄目だけど、母さんが帰ってくるのは夕方の筈。時間は十分にある。


近所の人に見つかって、親や学校に知られるのはマズいので、一番近い店じゃなくて、少し離れた店まで自転車で行った。

 

店に入ってからも、店員に怪しまれないようにした。

新作コーナーにジャッキー・チェンの『ポリス・ストーリー3』が並んでいた。
今日からレンタル開始らしい。


新作なのでちょっと迷ったのだけど、あまり迷っている時間もなかったので、借りることにした。
会員証をレジで見せる時も、店員に何か言われるんじゃないかとハラハラしてた。

 

そうやってレンタルした『ポリス・ストーリー3』を家に帰ると、早速、観た。

 

メチャメチャ面白かった。今まで観たジャッキー映画の中で最高。


こないだ観た『ツイン・ドラゴン』も好きだけど、こっちの方が好き。
ジャッキーも凄かったし、ミシェール・キングも凄かった。

と言うか、ミシェール・キングが凄かった。
NG集でバイクで列車に飛び乗るシーンがあったけど、よくあんなこと出来る。

 

母さんは6時前に帰って来たけど、それまでに2回通してみた。

明日、学校でみんなに『ポリス・ストーリー3』の話をしたい。

 ◆現在◆

僕が香港映画を好きになったきっかけはなんだったろう?


今にして振り返ってみると、あの日に観た『ポリス・ストーリー3』も、きっかけの一つだった気がします。

 

それまでにも僕は例えば『酔拳』や『プロジェクトA』はテレビの洋画劇場で観てましたし、それ以外の香港映画だと『霊幻道士』とか、あとは日本と合作の『孔雀王』とか好きな作品はいくつか有りました。

 

ただ、そういう作品で「香港映画」を意識してはいなかったと思います。
ジャッキー映画、キョンシー映画、日本の漫画の映画化、そういう認識です。

 

『ポリス・ストーリー3』もジャッキー映画です。
何故、これが「香港映画」ファンになるきっかけになったか?

 

理由を考えてみると、一番大きいのはミシェール・キング(現在はミシェール・ヨー)の存在でしょう。

 

その頃の僕が、香港映画俳優で顔と名前を認識してたのはジャッキー・チェン以外では、サモ・ハン・キンポー、ユン・ピョウくらいでした(ひょっとしたら、ジョイ・ウォンも知ってたかも)。ただ、サモ・ハンもユン・ピョウも「ジャッキー映画に出てる人」というイメージです(今にして思えば、自分の無知を恥じるばかりです)。

 

そこで出会ったのがミシェール・キングでした。
『ポリス・ストーリー3』の彼女は、上の日記でも書いている、バイクで列車の屋根に飛び乗るシーンをはじめとして、ジャッキー・チェンを食ってしまうほどの大スタントを見せています。と言うか、僕の中では完全に食ってましたね。

 

香港映画にジャッキー・チェン以外に、こんなに凄い人がいたのか!
僕の中で視点が少しだけ開けた瞬間だった気がします。

 

その後、レオン・カーフェイ主演の『水滸伝』を経て、現在でも僕のオールタイムベスト候補の1作である『スウォーズマン 女神伝説の章』を観て、完全に香港映画の虜になりました。この辺の話もまたいずれ。

 

香港映画との出会いも僕にとって大きい出来事でしたが、この日、「学校を病欠した日に、親の目を盗んでビデオを借りに行った」この経験が、僕の人生に与えた影響もかなり大きかったです。

 

今になって冷静に考えれば、制服も着てないわけですし、そもそも14時となれば、別に高校生がビデオ借りに行ってたって、店の人とかに何か言われるわけもないですし、仮に親にバレたところで、そんなに大きな問題になることもなかったと思います。

 

でも、その頃の僕にとっては、ちょっとした冒険だったんです。
で、その冒険の結果、「意外と学校、サボっても平気かも」と気付きます。

 

それから、僕は親にバレずに学校をサボる方法に頭を捻りはじめ、上手いこと先生を言いくるめて早退したりすることも覚えいきますが、その辺の話もまた今度。

 

 

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